AOSD(=Automatic Oxygen Supply Device:酸素供給自動制御)システム


AOSDシステムの構成と原理

 生活排水を対象とした下水処理法では細菌や原生動物、微小後生動物といった微生物群の食物連鎖を利用して排水中の汚濁物質を取り除きます。都市型排水処理法として、これらの微生物を水中に懸濁させて処理を行う活性汚泥法が最も普及しています。私たちが食事をし、呼吸をしてエネルギーを得るように、これらの微生物たちの多くが同様に汚濁物質を分解するのに酸素を必要とします。 すなわち、活性汚泥法ではブロワという散気装置を用いて空気を水中に送る操作(=曝気)が欠かせなく、電力消費量の30~50%を占めていると言われています。 そのため、ブロワを間欠運転することで電力削減を行う研究が進んでいます。また、排水中の窒素分を除去するにはアンモニアを硝酸に酸化する硝化菌の働きと、酸素の無い状態で硝酸を窒素ガスに変える脱窒菌の働きを利用する生物的硝化脱窒素法が普及しています。 この働きを利用するには脱窒を行う酸素の無い無酸素槽と硝化を行う曝気槽(=好気槽)が必要になりますが、既設の処理場に生物的脱窒素法を導入するには無酸素槽の設置や硝化液ポンプの設置といった大規模なコストが生じてしまいます。

       

 そこで私たちの研究グループでは、DOセンサーでモニタリングすることで微生物が汚濁物質の分解に必要とする酸素量を自動制御し、省エネルギー化を図るAOSD(=Automatic Oxygen Supply Device:酸素供給自動制御)システムの開発に取り組んでいます。 このシステムでは汚濁物質を分解する生物反応槽内で無酸素/好気状態を繰り返すことで窒素除去が可能なばかりでなく既設の処理施設にそのまま設置可能である為大規模な改修コストを必要としません。また、DOセンサーを用いてリアルタイムでモニタリングすることで流入水中の負荷変動に柔軟に対応し曝気時間を適宜自動制御するため、酸素不足による処理水質の悪化や酸素の供給過多による電力ロスを最小限に留めることが可能です。  

 今後、日本国内だけでなく途上国等での電力事情や水環境保全再生の重要性を再認識しAOSDシステムをより汎用可能なシステムとして開発普及していくことが重要と考えております。

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